夏の甲子園の延長タイブレーク制のルールを解説!導入に反対の声も
2018年も夏の甲子園が開幕しましたね。
この夏の甲子園はこれまでとはその大会の重みが多少違う大会になっています。
というのも、2018年の夏の甲子園は
- 100回記念大会
- 平成最後の甲子園大会
なんです!
その100回を記念して歴代のレジェンド選手が日替わりで始球式に参加されたりと、例年に比べて主催側も気合いを入れているのが伝わってきます。
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夏の甲子園 佐久長聖vs旭川大高の試合は史上初のタイブレークに
佐久長聖vs旭川大高の試合は延長12回でも決着が着かず、史上初のタイブレークゲームになるまでの接戦になりました。
タイブレークになると、回の最初から「ノーアウト ランナー1,2塁」の状態から試合が始まります。要はかなり点が入りやすい状態からのスタートになるわけです。
最後はスコア5-4で佐久長聖(読み方:さくちょうせい)が勝利!
何やら試合の途中には誤審らしきプレーもあり、それが点に結びついたことでネット上では物議を醸しています。
こういうスポーツには誤審はつきものとはいえ、重要なシーンでの誤審は無いように対策してほしいところですよね。今回の場合は、結果的にその誤審で出たランナーが生還したことで点に繋がったとも言えるわけですが、だからといって誤審しても仕方ないでは大人たちが頑張る子どもたちに向ける顔がありません。
タイブレーク制のルールを解説:ノーアウト 1,2塁から打順は継続
というわけで、史上初のタイブレーク制が適用された甲子園の試合ということでタイブレーク制のルールについてまだよく知らないという方もいるかと思います。
なので、今回はその甲子園のタイブレーク制のルールについて解説しますね。
まず夏の高校野球甲子園大会においてのタイブレーク制のルールはこちら。
【甲子園におけるタイブレーク制ルール】
- 延長12回で決着が着かず13回に突入した場合に適用
- 延長13回からは「ノーアウト ランナー1,2塁」から攻撃が始まる
- イニング数の上限はなし(決着が着くまで1回区切りで続く)
- 1人の投手が1試合に投げられるイニング数は15回まで
- 打順は継続(1番打者からだった場合、打席に立つのはそのまま1番打者、その前の8,9番バッターが出塁した扱いになる)
これが夏の甲子園大会におけるタイブレーク制のルールです。
なぜ「甲子園におけるルール」と強調したのかと言うと、『タイブレーク制というのは大会によってルールが異なる」からです。
国際大会では「延長11回から適用され、ノーアウト ランナー1,2塁の希望打順からスタート」であったり、社会人野球なら「準決勝以降の試合で、試合開始から5時間が経過すると自動的に適用され1アウト満塁で希望打順からスタート」、その他大学野球や甲子園以外の高校野球大会でもそれぞれ微妙に異なったルールが適用されています。
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タイブレーク制度の導入には反対の声もあった
このタイブレーク制の導入ですが、導入に反対の意見もあったようです。
- 延長戦にしろタイブレークにしろ、わざわざ敗者を作り出す必要があるのかな?
- ルールを変える前にやることがあると思う。延長に入ったらドクターチェック入れるとか
- 野球自体を変えるのではなく、選手の起用法、ベンチ入り選手の数を変えれば良い。
- 先ずは高野連が阪神球団と調整し余裕ある日程を組む事で解決出来ます。
- 高野連が「炎天下で」「さわやかに」といういわゆる「高校野球らしさ」という幻想をあくまで大事にしたいのであれば、その道から外れるタイブレークの導入論議は笑止千万
- 高校球児にとって、この大会が彼らの最終目標であり、大半はこれを最後に「野球漬け生活」を終える。そんな大会に制限が必要だろうか?
引用元:http://number.bunshun.jp/articles/-/821268/feedbacks?title=%23%E5%8F%8D%E5%AF%BE%23%25&sort=#opinion
この他にも色々な考え方を持って反対されている方がいらっしゃいました。
結論として、僕の見解としては「賛成」派です。
反対派の方の意見も共感できる部分は多いんですが、やはり選手の健康状態や故障を考えると勝負事とは言え仕方ないのかな、と。
これに関しては日程の組み方や球数制限で選手の負担は抑えられるという意見もありました。
ただ、それだと高校野球全体の戦力バランスを崩壊させてしまう可能性があります。
なぜかと言うと、高校野球はプロ野球のように「どの球団も平等にドラフトで欲しい選手を選べる」わけではありません。甲子園で名を馳せたダルビッシュ有投手や松坂大輔投手や田中将大投手といった選手も入学させるチャンスがどの高校にもあったのかと言えばそうではないですよね。
つまり、制限を設けてしまうと「選手層の厚い名門校が圧倒的に有利」の状況が生まれます。名門私立高はスカウト等を雇って各地の選手を集めますが、公立高校はそうはいきません。そうなれば、日程の組み方や球数制限などの導入で選手の疲労は抑えることは出来ても各高校の戦力格差がより大きくなってしまいます。例えば、ようやく有力な選手が1人入ってきたというような高校も現実的にジャイアントキリングを起こしづらくなります。毎回甲子園に出てくる高校がいつも同じ高校になるという状況も考えられますからね。
今回のケースでは、選手の疲労を軽減させつつ高校野球全体のバランスを失わない施策が必要でした。議論した結果、その方法が今回のタイブレーク制の導入という結論になったのでしょう。
1つだけ解決することに特化させると別の問題が出てくるということは往々にしてありえます。全体のバランスを整えるような調整というのは、大きな大会であるほど難しいことには間違いはないです。
かといってもちろん「きちんと整備されていなくてもしょうがない」と言うつもりはありません。
SNSやインターネットが普及した今の時代、主催側だけでなく視聴者側も巻き込んだ意見交換が必要なのではないでしょうか。
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